先週の新馬戦で注目したいのは
日曜函館5R(芝1800m)だ。
6頭立てという頭数のわりには好素材が集まったレースだった。
注目すべきは6頭中3頭が新種牡馬、
ワークフォース産駒だったということだ。
ワークフォースは2010年の英ダービーと凱旋門賞を制した名馬だが
血統的にも面白く、ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ4×2という
3/4同血クロスを持つパワー優先の血統。
父は日本で活躍馬を輩出するミスタープロスペクター
→キングマンボラインのキングズベスト(エイシンフラッシュの父)で、
母系にもアレッジドやワイルドリスクの血を引いているため
スタミナも豊富だ。
日本のトップサイアー、
キングカメハメハと同じように基本的には
パワーで突き進む産駒を出すだろうから芝の一流馬を出すにはまず、
父自身のようにサドラーズウェルズとヌレイエフを増幅し、
サンデーサイレンスを取り入れ、ミルリーフやセクレタリアトのような
柔らかな芝向きの血を取り入れる必要があると推測している。
勝利したグローリーミストはその推測にマッチする配合だ。
母父がトニービン×ヌレイエフのジャングルポケットで
ヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×3×4となり、
パワーや底力の補強に成功している。
また、母母ロージーミストはグランプリボスの母で
サンデーサイレンス×セクレタリアトという配合で柔らかな体質を伝える。
スラッとした重々しさを感じさせない馬体は
母母の血が強く出ているようで、
サドラーズウェルズ≒ヌレイエフを活用して
ロージーミストの良さを引き出すことに成功しているといえるのではないか。
ワークフォース産駒初勝利にふさわしい良駒で、
広いコースで走らせてみたい馬だ。
1.5倍の断然人気に推されながらも3着に敗れた
もう1頭のワークフォース産駒、アドルナメンテは
グローリーミストとは少し違う配合で、
母母父がヌレイエフだからヌレイエフ≒サドラーズウェルズ5×3×3で、
母父がサンデーサイレンスというのはグローリーミストに少し似ている。
しかし3代母がラストタイクーン、
エルグランセニョールという
種牡馬を輩出したセックスアピールという馬で、
父バックパサー譲りの強靭なパワーを持つ牝馬。
グローリーミストよりも母系がパワー型で、
コロッとした体系に出ていたのは当然といえる。
ただそれが悪いというわけではなく、
グローリーミストと違い小回り向きの機動力に長けていて
北海道で続戦するのならすぐに勝ち上がれるだろう。
同じパワー型でも、
馬場を「つかんで走る」ようなデインヒル系のハービンジャーと異なり、
ワークフォースのサドラーズウェルズ≒ヌレイエフ、
つまりスペシャル(サドラーズウェルズの母母、ヌレイエフの母)のパワーは
「パワースピード」として伝わるので、
キングマンボ系ということも含めワークフォースは
ハービンジャー以上の活躍が期待できる種牡馬だろう。
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