夏も本場。毎日、猛暑が続いていて人も馬をバテてしまうこの時期。
先日、アスクビクターモアが熱中症で亡くなるという悲しいニュースがありましたが、全力疾走で駆け抜ける競走馬にとっては過酷な開催と言えます。
「夏は牝馬」競馬にはこのような格言があります。
なぜ、牝馬有利なのかといいますと、馬体重が小さい小柄な馬の方が熱さに強いということが挙げられます。
動物全般に言えることなのですが、生息環境とサイズには相関性がありまして、寒い地域の方がサイズが大きく、熱い地域ではサイズが小さいという傾向があります。(ベルクマンの法則と言います。)
分かりやすい例でいえば、クマですが、北極クマと東南アジアのマレーグマで比較するとその差は歴然で、北極クマは体調180~250cmあるのに対して、マレーグマは100~140cmと半分くらいなのです。
寒いところで生き抜くためには、体内の熱が体の表面から逃げるのを抑えて体温を防ぐ必要があります。体が大きい方が体内での熱生成量が多く、体重当たりの体の表面が狭くなることで寒いところに適した体格といえるのだそう。逆に暑いところでは、体が小さくて体重当たりの体の表面が小さくなる方が熱が逃げやすくて良いということらしいです。
牡馬と牝馬では当然に体格差がありますから、小柄な牝馬の方が暑さに強いと言えるのです。
さ、話題を関屋記念に戻しましょう。
猛暑の新潟競馬で狙いたいのは、牝馬。勝率こそ過去10年データでは牡馬・セン馬に負けていますが、連対率、複勝率は上回っています。
今回、出走する牝馬は、ディヴィーナ、アヴェラーレ、フラーズダルム、フィアスプライド、ララクリスティーヌ、ロータスランド、アナザーリリック、ビューティフルデイと8頭と約半数を占めていますが、中でもララクリスティーヌとアナザーリリックに注目します。
ララクリスティーヌは、前走初挑戦のG1でスムーズさを欠くレース内容。調教師も敗因の理由に、直前の雨で馬場がソフトになったことを挙げていました。パンパンの良馬場、G3条件への緩和で見直せる一頭です。
続いて、アナザーリリック。夏の新潟は2歳の新馬戦、3歳時の佐渡ステークスと2勝をあげている舞台で相性の良い舞台で、レースぶりを見ていると、中山や福島とは道中の行きっぷりが全く違います。追切の加速も抜群でいい頃の雰囲気が戻ってきているのも好感が持てます。
その他ではロータスランドの動きが絶好で夏場の熱い時期にも関わらず時計が出せるのは牝馬の強さを感じます。
今年は全国的な猛暑がニュースを賑わせていますから、関屋記念は夏女の好走に賭けたいです。